HANDセルフライナーノーツ④

【2019/8/4】

M4.「MASETORA」

 

「マセトラ」はマセラッティトラックの略ではなく完全に造語。

ギターを弾きながら何故か「♪マセトラ」って出てきてしまい、意味もよく分からないままとにかく言葉が出てくるのに従う。

 

結果、煩悩は悪い事だけじゃなく人間が本来持つ「人間らしく生きる」という本能でもあり、そんな「煩悩の女神様」には逆らえない、ってイメージの曲になる。

 

ニューマスターサウンズが演奏しても似合いそうなディープなファンクチューンを目指しバッキングは軽やかなサウンドのエピフォン335。

軽くJHS M.G.でブーストさせてデラリバへ。

少し黒めのチェリーレッドなボディーが、そりゃもう、たまらない。

 

 

1サビから左で鳴るのはストラト+コンプ→プリンストン。

 

今回のギターダビングのテーマは「空間を埋めない」。

どの曲も何本かのギターが登場するが、音圧で派手さを稼ぐためではなく、必要な場所に的確な演出を施すための重ね方。

録音前に散々フレーズと音色を試す必要があり非常に時間のかかる作業だが、途中で投げ出さずやり遂げられた事は今回のアルバムの「小難しそうなのに聴きやすい」部分に大きな影響を与えている。と思う。

ジャズファンク的でありながらシンプルで必要最小限のリフを重ねる。

 

10/4拍子になるDパートはセッションから生まれたもの。

ギターソロのイメージはマイルスデイビス「On The Corner」。

マイルスのトランペットみたいな音を出したくて試行錯誤。結果ストラトにワーミーとショートディレイをかけ短いフレーズを積んで行く。

初期ワーミー。

忘れ去られた昭和のゲーム機みたいなルックスが素敵で手放せない名器。

 

 

つづく