メジャーデビュー盤『GET UP』について メンバー4人で喋ってみました (2015.7.31) / セカンドアルバム『beach party』についてメンバー4人で喋ってみました (2015.6.12) / セカンドアルバム『beach party』について喋る前に ベーシスト・ナガイケジョー加入時の思い出をメンバー4人で喋ってみました (2015.6.5) / マキシシングル『No.3』についてメンバー4人で喋ってみました (2015.5.7) / インディーズファーストアルバム 『DOIN’ OUR SCOOBIE』について メンバー4人で喋ってみました (2015.4.14) / デビューマキシシングル『夕焼けのメロディー』 についてメンバー4人で喋ってみました (2015.3.28) /
(2015.6.5更新)
コヤマ「さてNo.3がリリースされて…」
MOBY「で、並木事件(注1)を経て(笑)、2000年の12月25日に僕がナガイケに電話かけて。で、その年の年末に渋谷のバーガーキングで待ち合わせして…」
ナガイケ「あぁ会いましたね」
MOBY「で、とりあえず一緒にやってみよう!ということで2001年に入って平行してリハに入ってたんですよ。
前のベース(3代目ベーシスト・ナカノトモヒロ氏)とのリハとナガイケとのリハって感じで。で、1月23日にスペースシャワーTVのライブ生中継番組『ファントム』に出て…」
マツキ「あぁーアイゴンさん(注2)の!」
MOBY「そうアイゴンさんとLeyona(注3)が司会の」
ナガイケ「ラブ サイケデリコとやってたやつですね」
マツキ「渋谷のタワレコの地下でね」
MOBY「そう。当時ラブ サイケデリコが1stアルバムを出した直後で。160万枚 対 1600枚っていう話で(笑)」
マツキ「そうだそうだ」
MOBY「で、それを観たビクターの人が(メジャーデビューの)話を持ってきたんだよね」
コヤマ「そーか。その時はまだ『beach party』は録ってないの?」
ナガイケ「録ってないんですよ」
マツキ「(ファントムの収録時はベースが)ナカノ君だったでしょ」
MOBY「ナカノ。でもOH YEAH!は演ってるんだよ」
マツキ「あぁやってたね」
ナガイケ「そうですよ。だって、その時期、俺カセットもらったもん。デモ音源集みたいなの。アルバム録音用の」
コヤマ「それに何入ってたの?」
ナガイケ「いや結構入ってましたよ。「(朝焼けの)カウボーイ」が入ってたのは覚えてる」
マツキ「そうそう。もう(アルバム『beach party』収録曲は)ほとんど演ってたの。で、ジョーが入って初めて出来たのが
「勝手にしやがれ」だと思うんだよね」
MOBY「ファントムのセットリスト。No.3、アフィルグ、アフィルグ演ってんだ!くもり空(のベイビー)。
TIGHTEN UP、OH YEAH! 、LIttle Sweet(Lover)」
コヤマ「おぉー。今でもいけるセットリストだね(笑)」
ナガイケ「ハハハハハハハハ!」
マツキ・コヤマ「変わってない!」
MOBY「でも、夕焼けやってないんだよ」
コヤマ「意外とね、夕焼けを毎度やるのはね、割と最近目なんだよね」
マツキ「そうだね」
ナガイケ「メジャーでもう一回録ったから(注4)ってのもあるかもしれない。それまではそこまで重視してなかった感がある」
マツキ「そう意味ではあれだね、ナベちゃんが「夕焼けやった方が良いよ」って言って…」
MOBY「渡邊文武(注5)ね!」
マツキ「夕焼けが良い曲だってのは人に言われて気付くんだよ(笑)」
コヤマ「そうそう。そーなんだよね」
マツキ「曽我部さん(注6)とかもすげー言ってたもん。「夕焼けめちゃくちゃ良い曲じゃん!」って」
コヤマ「あぁー、そーか。だからいかに俺らが最初はそっちを志向していなかったかってことだよね。人に「良いよ!」って言われて
「あぁそーなんだー」ってようやく気づいていくっていう(笑)。で、『beach party』ですよ。ってことは、もうナガイケが入った時には曲は…」
ナガイケ「1月からやり始めて3月にはレコーディングやってたから、ほとんど曲はあったんすよね」
マツキ「ホント入ってすぐだな」
コヤマ「だから、ナガイケはもう、ある曲を覚えるぐらいの感じだったんだ」
マツキ「そうだね。「キミとオレ」とか「ゆうべあのこが」とかももう演ってた気
がするし…「COM’ON SUNSET BACK」と「勝手にしやがれ」が(ナガイケ加入後の)まっさらな新曲だと思う」
MOBY「で、2月の10日のライブからベーシスト変更」
ナガイケ「Queでね。OOTELESA(注7)と…」
MOBY「そう。それとGO!GO!7188!(注8)がシークレットでね。その2日後に渋谷のEGGサイトで54-71(注9)と
BLACK BOTTOM BLASS BAND(注10)と3マン!」
ナガイケ「その時にね、コヤマさんが「こいつジョーだからって」言ったんですよ。それで俺、ナガイケジョーになったんですよ(笑)」
コヤマ「へー。そーだったっけっか」
ナガイケ「あ!言った言った!と思って(笑)」
コヤマ「そーか。それまでは、内輪の中での呼び名だったのに」
ナガイケ「そうそう。「なんか(中村)ジョーさん(注11)に似てるよな」みたいな話はそれまでしてたんだけど。egg siteのライブで初めて…」
マツキ「ジョーになる!」
ナガイケ「そうそう。そんな記憶があります」
コヤマ「でも最初のライブをやってもう加入って感じだったよね」
ナガイケ「なんかそんな感じになってましたよね」
コヤマ「とりあえず最初はサポートでみたいな感じだったんだっけ?初ライブをやる前までは」
ナガイケ「うん。と、思う」
マツキ「あんまその記憶ねぇんだよなぁ」
コヤマ「ないよねぇ(笑)。でも、最初のライブをやって……もう全然大丈夫だなって思った記憶はあるんだけど。
はじけてやってたからさ、最初から。もう今のスタイルだったもんね」
マツキ「そうだね」
MOBY「その様子を見て『糸の切れた操り人形』というキャッチコピーが生まれたぐらい(笑)」
ナガイケ「マーヤ(注12)に憧れてたから(笑)。KING BROTHERS(注13)やデキシーとかそういうものに憧れてましたからね」
コヤマ「(笑)。なるほどね。だから、そういうのもあってなのかなぁ。あぁ全然大丈夫だなって思ったんだよな」
※ナガイケジョー加入時の宣材用写真アウトテイク。撮影は渋谷BYG。
※1 三代目ベーシスト・ナカノトモヒロ氏がメンバーに脱退を告げた日の出来事、その呼び名。「みんなで揃いのスーツを着よう!」と提案したナカノ氏が、洋服の並木(注14)にてオーダースーツを作りに行ったその日に、並木の店先にて「俺スーツ作れないんだ。だって辞めるから」とメンバーに脱退を宣言した。当時は非常に衝撃的な事件であったが、今になってみると、古今東西ロックバンドメンバー脱退劇の中でも相当にオシャレな脱退の仕方であると思う。ニクいね。
※2 會田 茂一(あいだしげかず)氏。ミュージシャン、ギタリスト、プロデューサー。EL-MALOのギタリスト(現在は脱退)としてはもちろん、木村カエラさんのプロデュース、HiGEのメンバー(現在は勇退)、東京スカパラダイスオーケストラのサポートギタリスト、などなどなど、その活動は多岐にわたる。SCOOBIE DOとはソロプロジェクトFOEでの対バン共演がある。フェスの会場や街中でお会いする時は、いつも温和で気さくな素晴らしいお方。
※3 レヨナ。ブルージーでソウルフルでカッコE歌声の日本人女性シンガーソングライター。SCOOBIE DOのアルバム『Beautiful Days』収録の「Beautiful Days」、「美しい日」にゲストボーカルとして参加。また自身のアルバム『PATCHWORK』に収録されているモータウン調のソウルナンバー「GET DOWN」はマツキタイジロウが作曲を担当している。PLUS ONE MORE必聴!
※4 デビュー曲「夕焼けのメロディー」は、2002年のメジャー第一弾リリース『GET UP』にて再録音したバージョンが収録されている。ちなみに4月1日リリースのベスト盤『4 x 20』に収録されているものは、1999年K.O.G.Aからリリースされたデビューバージョン。
※5 わたなべふみたけ氏。元・サニーデイ・サービス ディレクターであり、元・SCOOBIE DOメジャー時代所属事務所プロデューサーでもあった。現在も音楽ディレクター/新人開発を行っているので、フェスなんかで会いがち。
※6 曽我部恵一(そかべけいいち)氏。シンガーソングライター。インディーズレーベル「ROSE RECORDS」主宰。サニーデイ・サービスのボーカリスト・ギタリスト。ソロ名義やソロプロジェクトでの作品も多数。エモーショナルなメロウネスが滴る歌声は年々凄みを増している、ように思う。完全自主運営の活動スタイルはSCOOBIE DO独立時のひとつの模範であり、指針でもあった。マツキタイジロウの大学時代の先輩でもあったりする。
※7 ダブルオー・テレサ。2000年結成の日本語ロックバンド。2006年に活動を休止していたが、2013年9月よりオリジナルメンバーの植木雄人氏(Vo/Gt)、上野智文(Gt/Vo) 、大塚謙一郎(Ba)にサポートドラマー柳沢明史氏を加え、活動を再開。上野氏、大塚氏は曽我部恵一バンドのメンバーでもあった。
※8 ゴーゴーナナイチハチハチ。歌謡の歌心とロックの熱さを併せ持った楽曲を鳴らす3ピースロックバンド。2012年解散。現在はVo/Gtのユウちゃんがチリヌルヲワカ、BaのアッコちゃんがPIGGY BANKS、Drのターキー氏がla la larksというバンドでそれぞれ活動中。SCOOBIE DOとの対バンはもちろん、2005年9月23日の横浜ライブではアッコちゃんがゲストボーカルとして参加したというレアな共演も。
※9 ゴジュウヨンノナナジュウイチ。1995年結成の日本の四人組オルタナティブロックバンド。DrのBobo氏はくるり、雅-miyavi-、フジファブリックetcのサポートドラマーとしても活躍中。音数が少なくシンプルでありながら、剥き出しな音像、ダークなFUNKNESSを携えた楽曲にグサグサとやられる。未聴の方は是非!
※10 ブラックボトムブラスバンド。略称BBBB。1993年結成のニューオリンズスタイルブラスバンド。楽器を鳴らしながら練り歩くスタイルで、あらゆる場所をお祭りの現場にしてしまう唯一無二のバンド。SCOOBIE DO以外にも甲本ヒロト氏、東京スカパラダイスオーケストラ、トータス松本氏、BEGIN、斉藤和義氏、RIP SLYME、m-flo、ハナレグミ、EGO-WRAPPIN’、MONGOL800、くるり、つるの剛士氏、八代亜紀さんetcと 様々なアーティストとコラボレーションを行なっている。
※11 なかむらじょー氏。THE HAPPIES(注15)、JOEY、という自身がVoを務めるバンドを経て、現在は中村ジョー&イーストウッズというバンドを組み活動するシンガーソングライター。日本人のDNAを刺激するソウルフルな歌声は最新作『さよならだって素敵なものさ』(ROSE RECORDS)でも健在。
※12 KING BROTHERSのGt/Scream、N’夙川ボーイズのGt/Vo/Drを担当するロックンローラー。己のソウルに従った結果であろうステージ上でのアクションは自由以上に自由、しかし、その根底には愛があってLOVE。苗字が小山である為、コヤマシュウと遠い遠い遠い遠い親戚である、という気がしている。
※13 キングブラザーズ。Gt/Vo/リーダーのケイゾウ氏、マーヤ氏を中心に1997年に結成されたブルースロックンロールバンド。活動初期から己のブルースを燃やしながら、フロアを扇動し、焚きつけるバイオレントなステージングが話題であったが、その根幹をなすのは踊れるビート=FUNKNESSであり、つまり最高のダンスバンドであると思う。現在はDrにゾニー氏が加わった3ピース編成である。
※14 ようふくのなみき。1978年より東京都梅ヶ丘にてオーダースーツを作り続けるテーラー。モッズスーツはもちろん、その他のスタイルや細かな要望にも応えていただけるお客様思いのお店。スーツの修繕や補強などアフターケアも行ってくれるバンドマンの心強い味方である。オーダースーツを作りたい!という方ならどなたでも親切に対応していただけるはず。詳しくはhttp://namiki-4129.comへ!
世界初!並木の店内で撮影したMVはこちら→SCOOBIE DO『新しい夜明け』(ちなみにMV冒頭に写っている店先で並木事件は起こった)
※15 ざ・はっぴーず。5人組のガレージ・ソウルバンド。初期は’60s~70年代初期のグループサウンズやニューロックなどの影響を感じさせた『黒いR&B(リズムアンドブルース)』を演奏するバンドであったが、後にフォークロック的な楽曲を演奏するバンドへと変遷。その中でも、Vo中村ジョー氏の歌声とGtでありメインのソングライターであった若林タケシ氏が作る“日本語の黒い”楽曲達が常に魅力的だった。1999年に解散。デビュー盤『Portrait Of The Happies』に収められているナンバー「僕のベイビーは何処へ?」は日本語R&Bのひとつの到達点。未聴の方は是非とも探して聴いてほしい。2011年に再集結しライブを行った際には、ナガイケジョーとMOBYがサポートメンバーとして参加した。
(構成・文:ダイナマイト木戸)