ツアー 走り書き①

【2019/10/8】

10/3

 

Tour”Funk-a-lismo!Vol.12″スタート。

 

 

恒例の特大ポスター。

 

初日。

心地よい緊張感と、千葉LOOK周辺の時間が止まってるような街の動きとのギャップが、「ツアーか始まった」と実感させる。

 

 

学芸会じゃないからこれまでリハでやって来た事をそのままやる、ってことじゃなくアドリブもその場その場でバシバシ決めたる!

という気持ちで臨む初日。

 

気持ちが空回る瞬間もいくつかあったが個人的にはいい感触の第一歩。

この一歩がなきゃ始まらない。

 

 

ピロシ店長から特大ポスターを授かる。(かろうじて)

 

 

10/5

 

ツアー第2夜は大切なハコ、福島OUTLINE。

 

店長阿部さんの、音楽愛と地元愛に溢れまくっていろんな人を巻き込んで行くパワーを、せめて1年に1度は地元で味わわなきゃ。

 

初日の手応え、反省を確認しながら念入りにリハ。

今回のアルバム、変拍子の曲が多いが、そんな事関係なく盛り上がるフロアのリアクションにかなりステージ上も影響されている。

ど頭からフルスロットルな感じが手元に影響し過ぎないよう、慎重さと開放感を感じながらのプレイを心がける。

 

福島のみんなの「待ってたよ!」感がびしびしと伝わり愛に溢れた2時間。ありがとう。

 

 

コヤマ氏の新しいハープアンプ。

ミドルに腰があるいい音。

 

 

10/6

 

鶴フェス。

 

ちょうど1年前くらい。

鶴フェスをやる!と決めた直後に誘ってくれてから早いもので。

 

フェスはお金と人間だけでは簡単に開催出来ない。強い「思い」を「これでもか!」と感じた1日。

鶴の面々、いつもよりとっても頼もしく見えた。

次回開催を楽しみに待とう。

 

あっつぃー後片付けまでお疲れさま。

 

Have A Nice Day!

 

 

本日の1曲

 

「Just Friends」/  Pat Martino

ジャズ弁、てのを喋れるようになりたい。

10/2

【2019/10/2】

10/2

 

ご無沙汰し過ぎてしまいました。

「忘れてるわけないだろ〜、仕事がいそがしくてさぁ、え?嘘じゃないってぇ」

はい。

 

8,9月も色々あったなぁ。

 

8/22

 

代官山LOOPにてAlaska Jamと。

ギターの武正くんと久々の再会。

いいSGをゲットしたじゃないか。

ふむふむ。いい音。

 

 

8月末は札幌へカレーラーメンを食べに。

大好きな向日葵のカレー味噌ラーメン。

 

行ったわけじゃなく、「Young Bloods」札幌編。

今回は札幌の最高にイキのいいバンドKARMAと。

素晴らしいステージ!

まだ未成年。

打ち上げは20になってから。

 

9/6

 

入野自由くんのツアーファイナルへシークレットゲストとして参加。

ギターを2曲弾かせてもらう。

お客さんの反応も上々。

嬉しく思う。

ステージセットもオシャレ!

 

 

9/8

 

Suchmosの横浜スタジオライヴへ。

 

あいにくの天気を吹き飛ばす素晴らしいパフォーマンス。いいバンドだ。

ボックスシート。

 

 

まだ3年前!?

 

 

9/11

 

THE BACK HORNと初の2マン。

お互い20年選手。

出汁が違う。出汁が。

 

よく炊き込まれている。

 

 

ちうわけで10/3からいよいよツアースタート。

みなさまよろしくお願いします。

 

 

本日の1曲

 

「This Chaming Man」/  Los Stellarians

とってもいいカバー。タワレコに行ってCDを探すといい事が必ずある。

 

HANDセルフライナーノーツ⑩

【2019/8/11】

M10.「Summer in My Life」

 

デモは割としっかり作った。

イントロのリフが浮かんでいたのと、コード進行に対してメロディーが一番グッと来るポイントを探るのに試行錯誤したのでそこは崩さないように、と思っていたのだと思う。

 

2番以降の展開はセッションしながら。

なかなかドラマチックになった。

 

「夏はまた必ず巡ってくる」というメッセージをアルバムの最後に置くことで、もう一度1曲目を再生した時にギターカッティングが灼熱の熱風のように感じられる仕組み。

というのは偶然でもなく、デモの段階から1曲目と10曲目だけは曲順が変わらなかったので、当初から頭の中でそんな風にイメージしていたようだ。

 

全編コードカッティングは350T→コンプ→デラリバ。

ソロも350T→JHS M.G.→ディレイ→プリンストン。

 

ダビングものはどれもストラト。

今回はストラトが大活躍。

フルアコとの相性がいいようだ。

 

 

と言うわけで長々とお付き合い頂きありがとうございます。

とにかくいいアルバムが出来た!ってことを出来るだけ言葉で伝えられるよう努力して参りましたが、

受け取り方、楽しみ方はあなた次第。

色々想像しながら聴いてみて下さい。

そしてCDで楽しんで頂いた後は是非ライヴでお楽しみ下さい!

 

おしまい

HANDセルフライナーノーツ⑨

【2019/8/10】

M9.「Pie」

 

ある意味一番アフロファンクっぽいムードで始まる曲。

ワンコーラスだけデモを作り、あとはスタジオで何とかしようと試みる。

ブレイクからワルツになり怒涛のソロ回しへなだれ込み元に戻ることなくエンディングへ向かうめくるめく展開は、最近のアニソンやアイドルの楽曲からの影響、というより思いついたことは全て試したセッションの賜物。

 

アフロファンクと言ってるけどこんなものも聴いていたシリーズ。

Geraldo Pino”Heavy Heavy Heavy”

これは正真正銘アフロファンク。

 

 

ブラジルのファンクのコンピ。

これも面白い。

 

 

フランスのJ.B.ことニノ・フェレール。

ポルトガル語やフランス語でファンクするのと日本語でファンクすることは似ている。

 

 

 

メインはエピフォン335→JHS M.G.→デラリバ。

左で鳴るワウはストラト。

 

 

ギターソロで活躍したオートフィルター。

強者に必死で抵抗する弱者の会話、みたいなイメージ。左右にパンされているが一本で弾いてます。

 

 

つづく

HANDセルフライナーノーツ⑧

【2019/8/8】

M8.「Sugar」

 

いつ聴いてもキュンとしてしまう曲が世の中にはある。

勿論「キュン」の塩梅は人それぞれだとは思うが、「かつて味わったことのあるような、郷愁を伴う胸を締め付けられる感情の高ぶり」のスイッチを入れられる、みたいな経験はどんな人にもあるのではと思う。

 

そんな曲が作りたいのである。

 

歌だけでなく楽器の鳴りやアンサンブルが、語り過ぎずしかし全てを言い表しているような、そんなシンプルでノレるのにグッと来る曲を作り続けることもスクービーの”mellow”サイドに課せられた大きな使命だ、と勝手に思っている。(『夕焼けのメロディー』から20年だそうです)

今アルバムでは最もキュン度が高い、と個人的に思っている楽曲。

 

 

キーがBbで6弦ルートのEbを押さえる関係上12フレット付近でも押さえやすく、またコードリフがまとまる軽めの音のエピフォン335をチョイス。

コンプを通しデラリバへ直。

左が’92年製エピフォン335、右は最近預かった”80年製ヤマハSuper700。どちらもまるで音のキャラが違って面白い!

 

サビやアウトロに登場するリフはストラト。

デビッド T. ウォーカーのキュンと来るようなフレーズを意識しつつ。

 

ソロは350T。

フロントP.U.→JHS M.G.→ディレイ弱→プリンストン。

 

 

つづく

HANDセルフライナーノーツ⑦

【2019/8/7】


M7.「サバイバルファンク」

 

会場先行販売とライブ先行演奏が決定し、曲の抽象性を言葉にするよりステージ上から言っても分かりやすいようタイトルを「サバイバルファンク」とした。

 

五拍子のドラムパターンが最初に浮かび、

テーマ→リフAメロ→ブレイク→サビ(解放)というスクービー流ファンク王道パターンが頭の中で鳴った時に「これはメチャクチャカッコよくなる!」と確信しながら作った曲。

 

大サビ以降の緊張感漂うパートはセッションしながら作り上げる。

歌パートの後に簡単にギターソロにしないように工夫するのはウチのバンドだけではないと思うが、ギターソロ以上に意味のあるパートにするのも中々アイデアのいる作業でもある。

 

 

’18年末に池袋DEDEにて録音。Rec&Mixは中野正之(BAKKEN RECORD)。

エンジニアによって録り方もMixも出来上がる音もまるで違う、というところが録られる方としては面白いところ。

Mix確認用のラジカセ。

日常ではあまり見かけなくなってしまった機材も音楽制作の現場ではまだまだ大変活躍しております。

 

 

全編350TにM.G.を軽くかけ黒パネデラリバへ。

サビ以降左で鳴るのはストラト+コンプ→Bassman。

 

2番明けの展開ではストラトのリアピックアップのキンキンしたサウンドでリフを際立たせる。

 

 

つづく

HANDセルフライナーノーツ⑥

【2019/8/6】

M6.「Colors」

 

 

アフロファンク的新機軸がありながら、いつものスクービー味をもう一つブラッシュアップした新感覚な定番パターンも入り混じっているのが今回のアルバムに求められるバランスだ、という自分の中のプロデューサー感覚により制作。

 

コード感、メロディー、テンポともいつものスクービー節ではあるが、カッティングを2本のギターの掛け合いにしベースラインを八分で刻むことでモダンさを加える。

 

’18年末に池袋のStudio DEDEにてエンジニアに中野正之さん(BAKKEN RECORD)を迎え行われたレコーディングで楽器パートを録音し、その後歌録りとMixをピースミュージックにて行う。

 

右で鳴るのは350T。

DEDEにあった黒パネルのデラリバ直。

 

マイクの数がすごい。

57、421に加えビンテージモノのマイクも多数。

これらを組み合わせ立体的な音の響きをmix卓にて再現して行く。

 

 

左で鳴るのはストラト。

DEDEにあったBassmanの極初期のモデルにコンプを噛ませ直。

15wながらいい音していた。

背後にウッドベースやオルガン等、眺めるだけでも楽しいビンテージ楽器いっぱいのスタジオ。DEDE。

 

イントロとアウトロのテーマはストラトにM.G.でブーストさせロングディレイをかけBassmanへ。

煌びやかに爽やかに、を意識して。

 

 

つづく

HANDセルフライナーノーツ⑤

【2019/8/5】

M5.「One Short Summer」

 

 

夏を待ち侘びる学生の目線にこそ日本の夏の本質が隠されている、と思う。

チャラくて軽薄な、もしくはまるで浮かれていない日々を送っていたとしてもやがて終わりゆく夏は人生の輝く時期を想起させる。

 

だからと言って若者の夏が全てではなく、いくつになっても求めれば青春はやってくる、ということも言っておきたい。

2010年の「何度も恋をする」でもそんなモチーフの曲をいくつか作ったが、より重みと説得力が出せたのはキャリアと年齢のなせるわざか。

演奏も歌もリズムを重視しなんだか引っかかる、妙にクセになる楽曲になった。

夏だね夏!ウェイウェイ言っております。ソロアルバムを作るなら、ジャケにはプールで決まり!

 

右で鳴るのはデラリバ直350T。

左はコンプ噛ませプリンストン直ストラト。

手前はストラトのネック。

’18年末の「サバイバルファンク」Rec風景。

 

 

今でこそ「ヨットロック」などと洒落た名前が付いているが80年代のAORやニューミュージックで聴かれたよそ行きに着飾ったようななんとも言えないギターの音もたまらなく好きなので音作りで再現を目指す。

全編の単音リフはストラトのハーフトーン。

そこに更ににフェイザーとディレイを施しソロを録る。「リッチ過ぎてチープに聴こえる」みたいな感じが中々出ずMix時に低音を削ってもらいなんとか雰囲気だけでも自分のイメージに近づける。

 

 

つづく

HANDセルフライナーノーツ④

【2019/8/4】

M4.「MASETORA」

 

「マセトラ」はマセラッティトラックの略ではなく完全に造語。

ギターを弾きながら何故か「♪マセトラ」って出てきてしまい、意味もよく分からないままとにかく言葉が出てくるのに従う。

 

結果、煩悩は悪い事だけじゃなく人間が本来持つ「人間らしく生きる」という本能でもあり、そんな「煩悩の女神様」には逆らえない、ってイメージの曲になる。

 

ニューマスターサウンズが演奏しても似合いそうなディープなファンクチューンを目指しバッキングは軽やかなサウンドのエピフォン335。

軽くJHS M.G.でブーストさせてデラリバへ。

少し黒めのチェリーレッドなボディーが、そりゃもう、たまらない。

 

 

1サビから左で鳴るのはストラト+コンプ→プリンストン。

 

今回のギターダビングのテーマは「空間を埋めない」。

どの曲も何本かのギターが登場するが、音圧で派手さを稼ぐためではなく、必要な場所に的確な演出を施すための重ね方。

録音前に散々フレーズと音色を試す必要があり非常に時間のかかる作業だが、途中で投げ出さずやり遂げられた事は今回のアルバムの「小難しそうなのに聴きやすい」部分に大きな影響を与えている。と思う。

ジャズファンク的でありながらシンプルで必要最小限のリフを重ねる。

 

10/4拍子になるDパートはセッションから生まれたもの。

ギターソロのイメージはマイルスデイビス「On The Corner」。

マイルスのトランペットみたいな音を出したくて試行錯誤。結果ストラトにワーミーとショートディレイをかけ短いフレーズを積んで行く。

初期ワーミー。

忘れ去られた昭和のゲーム機みたいなルックスが素敵で手放せない名器。

 

 

つづく

HANDセルフライナーノーツ③

【2019/8/3】

M3.「Have A Nice Day!」

 

ソウルミュージックを聴いていて感じる熱さや生々しさ、だけでなくその裏にある気高さや気品みたいなものを自分たちの音楽にも閉じ込めたい、というのはスクービーを始めた頃からの命題でもある。

 

悲しい、という感情を持ったことがある人間であれば、生まれついたり与えられた抗いようのない状況に対して、決して屈しない、魂は渡さない、勝てなくても負けない、とかそういった心の理想的持ちようが、そうしたブルースを乗り越えて行くための手段の一つであることをどこかで理解はしているのだと思う。

 

そう、生きていれば色んな事が予想もしないタイミングで起きる。

 

だが闇雲なポジティブマインドにそう簡単になれはしない。諦念やケ・セラ・セラから生まれる表現によってそんなブルースを癒す手段も音楽にはある。だが今それは選びたくなかった。何故だかは分からないがきっと曲の持つ温度がそうさせているのだと思う。

 

例えばそこまで大げさなことでなく、好きなラブソングだったり、ユーチューブだったり、ちょっとした贅沢だったり、通勤中にすれ違うあの人だったり、友達や家族、ライブ、映画、食べ歩きだったり、きっと自分の生活の中にあるたわいも無い何かがそんなブルースを乗り越えるための手段にもなり得ることに気付いていたい、そんな軽やかな心の持ちようがソウルミュージックを聴いた時に感じる気品や気高さなのではないだろうか。

 

オーティス・レディングから忌野清志郎を経て言い継がれた「勇気を出せよ 君の人生だろ」って言葉が端的にソウルミュージックが持つ普遍的なメッセージを言い表している気がして大好きなのだが、自分の中で転じて「君は君の人生を生きろよ」つまり「Have A Nice Day!」となった、ってな曲です。

 

 

バッキングコードストロークはデラリバ直350T。

ギターソロはJHS Morning Gloryで軽くブーストしロングディレイをわずかにかける。

P.U.はどちらのギターもLindy FralinのPure PAF。

左は’65年350Tのナチュラル。

右のメインより甘いトーン。

スクービーだとバンドアンサンブルに埋もれがちなのでなかなか出番がないのが気の毒。

 

ダビングはフェンダー社に借りた’68 CUSTOM PRINCETON REVERB。

出力12Wと小ぶりながらギターそのものの音を余計な味付け無しに引き出してくれる。

ストラトはフラット、箱モノはハイ上がりにEQをセッテングする。

 

サビとAメロの単音リフはストラト。

サビをハッとさせるためサビ頭にストラトにディレイをかけ4音コード弾きしハープのような効果を狙う。

Jazzy Cat素晴らしや。

 

全編に渡って歌の合いの手のように入るフレーズはエピフォン335。

’92〜3年にギブソンパーツのみを使い製造されたモデル。採算度外視し過ぎすぐ製造中止になってしまったそう。11年前に旭川の古道具屋にて購入。

こちらもP.U.はLindy FralinのPure PAF。

JHS Morning Gloryで歪まない程度にブーストしプリンストンへ。

 

 

’18年12月の「サバイバルファンク」録音時にプリプロとして試し録りした結果やや冗長に感じたため、余分な部分をカットし構成し直すことで尺の割にドラマチックな進行の楽曲に生まれ変わった。

これもバンドマジック。

 

つづく