トンデクサヒキガネヲヒケバ

【2017/10/9】

10月9日

 

3連休、最終日。

晴天、絶好の行楽日和。

 

昼は日射し強く、浴びる。

夕方は風も心地よし、秋。

 

『CRACKLACK』発売から5日ほど。

みなさまもう手に取ってお楽しみいただけてますか?

 

先日音楽雑誌『MUSICA』の取材を受けた際に、

じっくり聴きこんできてくれた編集の方、

自身の切り口からどんどん踏み込んできてくれて

いろんな聴き方があるんだなぁ、と改めて実感。嬉しい。

 

サウンドから言葉から、

その端々から何を感じ取るかは人によって様々で、

むしろ同じ聴き方なんてひとつもなくて、

だから難しいけど、だから楽しくもある。

いろいろ感じて欲しいですね、そういう作品。

 

マツキ氏ブログのセルフライナーノーツが

大変興味深かった&おもしろかったので、

私も自分なりの視点からひとつ。よいせ、と。

 

 

01. LOVE SONG

 

今回のアルバム全体に言えること、イントロのギターがキャッチー。

いま、キャッチーと打とうとしてキャッチャーと変換、あぶねぇ、と慌てて直したところ。

でも曲のイメージを最終的にビシッと受け止めるこれらギターリフはある意味楽曲のキャッチャー、うん、そこまで無理はない表現。

練ったんだろうな、ヒネリ出したんだろうな、ビタースウィートでどれも大人のいい味わい。

 

ドラムが入ってくる一発目のタムの深み。

熱々で出てきた料理の蓋を開けると、溜め込まれていた湯気と香りが一気に顔面を包み込んだ、あぁなんておいしそうなんでしょう!

そんな多幸感がこの一撃からすでに感じられます。

だからか歌い出しのコヤマ氏の歌声も実に柔らかでテリがあって、なんだかおいしそう。

おいしそうなものを目の前にすると皆んな気分が高まりますね。

 

ベースはノリは大きく、要所で細かく。

直線、坂道、曲がり道、どこでもスムースに走れるように細かくギアチェンジを施してるようなイメージ。これはどの楽曲でも言えること。

デモとは若干ラインも変わり、最後サビ後半から適度に脱線していく流れは私にありがちなハミ出し。好きです。

 

じわりじわりと盛り上げて、一曲目からいい旨味が溢れ出してます。

 

そして冒頭から解説長過ぎ、最後まで辿りつけなさそうなので、手短に。

 

02. COLD DANCER

 

スラップ弾き(右手親指で弦を叩き、人差し指で引っぱたく奏法)はダサいと昔は思ってました。右手をグーにして親指をピョンと立てるあのシルエットに美学を感じなかったのですね。今もそこら辺紙一重だな、とは感じていますが、06年辺りからニューウェーブ的なサウンドがダンスミュージックとして昇華され始めると、自分のサウンドにもツヤとキラメキが欲しくなり、向井さんとのレコーディング『トラウマティック・ガール』「ROPPONGI」で初めてスラップ的要素を混ぜ込むことに。それが思いのほか功を奏して、自分の中でガラリと何かが変わった。ガラリ。とは言ってみたもののだからといっていきなり指先だけが出る形の謎の革手袋を右手に着けてチョッパー一筋イノチを懸けるようなスタイルに変化するでもなく、「きれいなお姉さん」辺りでたまーにパチンと弦を引っ叩いてみてポッと頬を赤らめるようなトマトちゃんだった私がまた一皮剥けたのが「アウェイ」。もうバッチンバッチンどうした急に? やっぱり野音を無事終えてホッコリ満足顔だった自分の顔に往復ビンタを食らわせたくなったのでしょうね。今思えばね。ただ力を込めれば鳴るってもんでもなくてね、加減が必要、でもライブになるとどうしてもね、その時聴こえてる音に惑わされるな、右手と左手の感覚を信じなさい、雑念よ立ち去れぃ! という強い気持ち・強い愛が大事なのです。なんの話? 「COLD DANCER」ね。段落をつけないと話がトッ散らかりますね。

 

「Cold Dancer」

ベースうんぬん言う前に、まず歌詞でしょうね。

 

歌い出しから詩人、さりげなくドップリとブルース。

出会い頭に鮮烈なブルーを浴びせられたような気分。

 

トンデクサヒキガネヲヒケバ

 

ここの響きが呪文みたいでクセになる。

 

ハンニャーハーラーミッター

トンデクサヒキガネヲヒケバ

 

ナンミョーホーレンゲーキョー

トンデクサヒキガネヲヒケバー

 

あいや、クセになるね。

 

だからかその後の

 

生カサレテルコンナ命ヲ

燃ヤサズニドウスル

 

が一瞬「雨ニモ負ケズ」の一節かと思う、

マツキタイジロウさん、詩人ですよ、この人。

 

おやおや…なんだかなんだか

全然先に進みません。汗

 

先日のカセットストアデイにも触れたかったのですが、

このままだとツアー開始時期になっても更新できなさそうなので、一旦ここで。

 

さっささっさと書いて

さっささっさと更新できる

サウイウモノニ ワタシハナリタイ ケンジ、否、ジョー

 

 

明日10日は大阪ロフトプラスワンWESTにて

拙著『ベーシストの名盤巡り 低音DO』出版記念イベント。

 

トーク&ライブ+α

 

今もプラン練りつつ、あれこれ話したいなぁ

DOなるかなぁ、ふううぅ、と大きく深呼吸。

 

明日ご一緒するタカノタイチ君にも久々に会うので、

近況報告(?)含め事前にスタジオ入ってみっちり

リハしてから会場にてお待ち申し上げておりますよ。

 

楽しみましょう、すべてのことは大概無事に済むものだ。